Kathy's Diary

不定期でひそかにやってます。

「現時点での今年の漢字」

今週のお題「現時点での今年の漢字

肉体コンプレックスだから肉体労働をやったり接客が苦手だから接 客業やったり料理が苦手だから調理の仕事やったりと、 荒療治というか悪性の好奇心というか最早マゾというか色々度が過 ぎていた、と最近になって半生をようやく振り返る事が出来た。

結局苦手な環境だったからそこに居る人間層も苦手だった。 克服する必要もあったといえばあったから無駄なわけではなかった とも思うが、 自分の適性を考えることよりもコンプレックスにとらわれすぎてい たという気もする。

これからは自分を理解してくれる人とか自分が愛せる人と生きれた ら、と思う。

今年一年の、 もしくはこれからの自分の指針を漢字一字であらわすなら

「享」

だろうか。

ちなみに英語だとenjoyと訳されるらしい。 私は面白がるのはわりに出来るほうだけど楽しむのって苦手なんだ よな。これからの課題でもあるのかもしれない。

「手帳」

今週のお題「手帳」

私の使う手帳はマンスリータイプで( 見開きで一ヶ月の予定が書けるもの) 手帳のうしろの経線のページを日記として使っている。 マンスリーのマスもぎちぎちに書き込まれているし、 日記のページもぎっちぎちだしで、 使い終わった手帳をのちのち開くと黒鉛くさい。( シャープペンで書いているので)

手帳は、使う前の年の大体十月くらいに買っているが、 手帳のカバーの柄がその年度に自分に起こる事とか興味の向く事に 関係するという謎現象がここ二年の間に起きている。 ちなみに今年はネコ柄なのだがネコにまつわる何かが身に起こるの だろうか?

幸せについて

JAFをめくるといろんな人たちが幸せについてを語っていた。

私は幸せという言葉を使わないというか、幸せに該当する心境? を持っていない気がした。


私の好きな作品に「月曜日の友達」という漫画があり、 その作家の阿部共実さんが昨年ツイッターで電気毛布と幸せについ てをつぶやいていて(ざっというと「- 1を0に上げる瞬間に幸福を感じる」と。)、 私の幸せの感覚もその感じに似ていると思った。


私はかつて東京でひとり暮らしをしていて、体をこわして「 死ぬかもしれない?」ってなって( いつも体調不良になってもどこかにカンプ一つはあるという感じだ ったのだが、そのときはそれを感じなかった。) 命がけで田舎の実家に帰還し、しばし床に伏していた。

あるとき雨が降って、その雨の音をきいたとき、

何て綺麗なんだ

と感じて

ああ私は天国に帰ってきたんだ

と思ったのを憶えている。


私はけっこうな段差がないと幸せと感じることができないというこ となのかもしれない。


でもおそらく、感じ方というのは動いていくから、 しばらくしたら自分にとっての「幸せ」は変わるのかもしれない。

 

2021年の読書

2021年の読書メーターのまとめです。ものにより感想あり。


AM/PM
薄ら青くて、意識は明晰だが靄掛かっているというか、深海生物的な印象。

読了日:12月31日 著者:アメリア・グレイ

https://bookmeter.com/books/ 12228037


■ホクロとシミでわかる内臓不調
読了日:11月23日 著者:渡邉 由
https://bookmeter.com/books/ 13230969


■薬になる中国茶図鑑 茶のチカラ
読了日:11月23日 著者:
https://bookmeter.com/books/ 5466358


■ヒロシのソロキャンプ-~自分で見つけるキャンプの流儀~
読了日:11月23日 著者:ヒロシ
https://bookmeter.com/books/ 16156362


■すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
読み始めたとき、とても閉塞感が強いと思った。 でも自分の人生も状況は違うが同じようなものだと気づいた。 この閉塞感に差し挟まれたような恋の配分のされ方に現実感があっ た。ここに書かれている「すき」が、 茫漠としたものでもなく猛然としたものでもなく微妙なバランスの 中でひとつひとつ渡し合っているという感じが好きだった。 忘れていく過程と忘れてしまえるということが切ない。 読後ズシリとした塊が残った。
読了日:11月04日 著者:川上 未映子
https://bookmeter.com/books/ 8289780


■カラダのために知っておきたい 漢方と薬膳の基礎知識 (淡交ムック)
読了日:10月28日 著者:
https://bookmeter.com/books/ 15293077


密教宿曜占星術: 36種の星獣が、あなたの運を拓く (エルブックス・シリーズ)
私は両親と「安と壊」の関係で、 両親が和善宿で私が猛悪宿だった。他人から、 優しい親で羨ましい、 などとよく言われていたが自分が常に息苦しかった要因のひとつは こういうことなのかもしれないと思った。
私が好きな作家や俳優などは、虚・胃・星・心・ 柳に多かったです。

読了日:08月18日 著者:羽田 守快
https://bookmeter.com/books/ 9258986


TVピープル (文春文庫)
環境に拘束されていて真実が地響きみたいに疼いている。 全編通してそういう印象を受けた。「我らの時代のフォークロア」 を読みたくて買ったのだが、 村上春樹の中でこの短編集が一番好きかもしれない。 全編共感した。私はこんな風には生きていないのだが、 育ち方というか育った環境は似ている。私は奇しくも? 置かれた場所で咲けないタイプだったため、 環境と自分の人格との差異で苦しんだりしたのだが、 家を脱してからは壁の方に行かずに生きることができていると思う 。 それでも洗脳に近いものが残っていたのでそれを除去するのに時間 を要したが。
読了日:06月26日 著者:村上 春樹
https://bookmeter.com/books/ 563101


■AMEBIC (集英社文庫)
読了日:05月05日 著者:金原 ひとみ
https://bookmeter.com/books/ 571731


■ライフ・アフター・ゴッド
自分とは見え方が大いに違っている主人公の話だった。逆、 と言ってもいいかもしれない。
わたしはそうこうしているうちに寿命がきてしまう。 成長しきらずに人生をおわってしまうんじゃないだろうか。 一周する?たびに「やっと生まれられた」 などと言っているのがわたしである。さみしい、というのは、 愛を手にしてないからそう思うものだというラフなひとつの認識が 自分のなかにあったのだが、 ここにでてくる主人公はもともとあふれるほど愛を持っているが、 それを与える対象がいないのを嘆いている。 そういうパターンもあるのかと知った。
読了日:04月13日 著者:ダグラス・キャンベル クープラン
https://bookmeter.com/books/ 516284


■月曜日の友達 (2) (ビッグコミックス)
読了日:02月26日 著者:阿部 共実
https://bookmeter.com/books/ 12581089


■月曜日の友達 (1) (ビッグコミックス)
月野の目の描写にどきっとした。
水谷の話を聞くときの月野のしぐさが理知に満ちていてよい。
プールのシーンが劇的だった。
夏に会ったふたりの、うだる暑さに歪んだ顔が好き。
月野の「思い出」の感覚が解らなかった。ゆえに印象的だった。
読了日:02月24日 著者:阿部 共実
https://bookmeter.com/books/ 12075681


村上春樹河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)
読了日:01月25日 著者:河合 隼雄,村上 春樹
https://bookmeter.com/books/ 538300

 


読書メーター
https://bookmeter.com/

ジョブ戦記

 私は社会に出る前は、夢だけはいくらでも見ていられる花畑人間であり、「働くこと」が、というよりはもはや現実が嫌いであった。笑止。

 個人を埋没させることに慣れていなかったし、納得もしていなかった。あともう経済そのものがなんか憎かったのであった。「効率の良さ」すら目の敵にしていたおぼえがある。

 そんな感じだったのだが社会人といわれる年齢になり、押し出されるようにして社会人になってしまった。

 仕事を始めたばかりの時は、8時間で最初っから全力疾走ペースでやったりだとか、何をどこまで自分の考えでやっていいのかがわからなかったので何でも訊きまくったりだとか、とにかく匙加減というものがわからなかったので毎日奮闘した。「あんばいをわかっている人」に対して、大いに羨望を向けていた。

 それでいて「ミスったら死ぬ」みたいなプレッシャーも手伝って(学生時代は「遅刻したら死ぬ」と思っていた。)もうバーサーカーみたいな覚醒状態で仕事に臨んでいた。

 経済が憎かった、とか言ってるわりにガッツリやろうとしてるって感じだが、私は我を通しきる程強くなかったというか、会社に来てしまったらもう仕事をやる、というスイッチが勝手に入るというか、サボるとか手を抜くとかそういう回路がないのだ。

 やってもやっても上手くできないような気がして、そのできていなさを埋めるために皆より10分はやく仕事はじめたりとかしていた。常に罪悪感があった気がする。鏡を見ることができないような。

 そうこうしているうちに、限られた時間内に一番有効な手を繰り出すFFで言うところの「ATBアクティブタイムバトル)」みたいな思考の仕方に辿りつき、ゲーム的な落とし込みを自分の中でするようになっていた。

 結局、目の敵にしていた「効率の良さ」を私は会得したのである。

 


 朝起きて、自分にプレッシャーをかけ、テンションを跳ね上げさせる。そして仕事に関わりない徒然な感情なんかは枝打ちして、ドアを出るまでの間にフラットな会社の為の人格を作り上げておく。その自我の改竄みたいのを完璧にマスターした。

 その一方で、「個人」の感情を保持している人に対して、すごく苛立ちを感じはじめた。自分が、社会とか会社に順応できてしまえることが辛かった。没入してしまう、属してしまう、同化してしまう。(『コンビニ人間』の古倉さんの逆、ということなのだろうか。)

 社員の人に正月休みに入る前、「実家に帰るとか、”懐かしい”ですよね」と話しかけられて、私は腹の中で激昂した。なに”懐かしい”とかいう感情を自分の中に残してんだよ、と思ったのだ。

 会社以外でも、自分の人生の為に自分の感情を使えることが出来る人への羨望が起こるようになった。正直に言って、暴発寸前だったと思う。

 そんなさなか結局身体を壊して退職するわけだが、「我に返った」ら、わたしは一体どこで生きていたのだろう?という感覚になった。「何か」の為だったのだが。その「何か」は失せ、一体何だったのだろう?と思った。でもこの至りには美しさがあり、仕事したての頃はここに到達したかったんだよな、というのはあったのだ。

 そして仕事を辞めて、朝起きて、「朝って毎日違うのか」と思った。

12歳

 無作為の”a girl”は、ランドセルを背負った12歳の性的未熟児の一人で、そのa girlが下校途中のことである。途中まで同町内の子と帰っていて、その子と分かれてひとりで歩いていたときのことだ。進行方向とは逆側から自転車に乗った男が近づいてきた。その男は平常ではないように見えた。ふらふらした走行で、あやしげで、人間としての気配のない、なにか植物の茎みたいな細い男だった。中年という歳でもない青年くらいの。(でもそういう年齢とかの概念を感じさせない存在だった。)その男が私のすぐ側で自転車をおりた。そして私を壁に押しあてて顔を近づけ唇をかすかに接触させた。本日の平常の下校、が破綻した。
 あるいは無作為じゃなく、私がまだ女として生きていないのを悟ってそういう女児を狙ったのか。すでに開花している女児は狙わない気がする。こういうのはたまたま、ではないような気がする。あっちは「なにか」を見抜くのだ。
私は環境と教育によって去勢されていたので(私はランドセルを背負った12歳で、それ以外の感情を抱くことを許されていなかった。そうやって律され、そうやって律した。)この男に対して屈辱も不快感も浮上しなかった。でも、散々大人が定型的に言うのは「あやしいヤツがいたら大声だして助けを求めるのよ」などである。
私はその男に少し同情していた。(その男が完全な男になれないのと、おそらく社会に適応できないのを直感したから?)
 私は少し呆然として(たぶんしてたと思う。/これ誰かに見られてたらどうしよう、とも思ってた気がする。)自転車で去っていく男を見ていた。
そのあと車がやってきて止まり、運転席の男に「何かされたの?」みたいなことを訊かれた。(同乗者もいたかもしれない。)なにかイカン目に遭った子どもを助けようとしている大人、そして私は当事者、みたいな客観視点になって、なんか気持ち悪さとか白々しさなんかで少し嫌悪感を覚えた。
 私が何も言わなかったので、その運転席の男が、埒があかないというかやや冷笑的な感じになってきて、「じゃあまあ大丈夫なんだね?」みたいなことを言って車は去った。  私は事なきを得た、と思った。
 この出来事で、私の閉塞感があらわになった。

初孫を愛でる

 あるときふとFF6の「魔導研究所」を聴きたくなってサントラをひっぱりだした。

 (スーファミ時代は画がドットだった分、曲はBGM的ではなく、場面や人物をガッチリ象徴していた感じがある。)

 で、そのまま聴いていたら「ストラゴスのテーマ」になった。当時わたしは小学生であり、なかなかジジイのキャラクターには興味向きにくかったというか・・このキャラクターのテーマ曲もスルーぎみであった。でも今聴いてみると、怪しさと愛嬌のある、絶妙な曲だと思った。たしかモンスターマニアという設定のファンキーなジイさんだったのだよな。

 次の曲がリルムのテーマなのだが、この子のテーマ曲というより、前のストラゴスが初孫を愛でる気持ちのようでもあるというか(孫ではないのだが。たしか。)ススけた心に灯る、最後の最大の希望のように感じられて、なんか泣けてきてしまった。

 20数年後、まさかジジイ視点で鑑賞することになるとは・・自分でも思わぬ出来事?であった。