Kathy's Diary

不定期でひそかにやってます。

10年前のひとり暮らし

私が「人心地がついた」のはつい最近のことだ。

家のドアを開けたら■される気がしたもので、さらにドアから出かけていったら戻って来れない気がしていた。そんなアレな感じの人間だった。

今から10年前、ひとり暮らしをしていた。そんなアレな人間がひとり暮らしをするなよというハナシだが、実家(田舎)も嫌いだったしそれなりの?年齢だったし誰かと一緒に暮らせるほど他人を信用できないしこのままでいたらどうにかなりそうな鬱屈の日々だったしで、どうにかしました、という感じでとにかくはじめた。不安しかなかったがどのみち何をするにも不安しかなかったので当時は、やけっぱちの行為です。

都市部に近い郊外に住んでいた。私が住みはじめて数年経ってから美化運動がなされるようになり夜に清掃車が通っていたようなのだが、それまでの間はけっこうひどいものだった。部屋はというと、木造の6畳1Kだ。「1K」と言いたいがためにとっさに取り付けたんじゃないかと思われる「戸」があった。その戸は本当に立て付けが悪く、閉めるときゴトゴトゴト・・・・と荷馬車みたいな音をたてる。となりの部屋が戸を閉めればやはりゴトゴトゴト・・・・ときこえてくる。しっかりきこえてくる。木造とはそうである。そして揺れる。トラックが近くを走れば震度1くらい揺れる。

引っ越してしばらくはまだ実家に「あっちの私」が生活しているような気がしていた。「こっちの私」はまだ新しくて影が薄かった。だいぶ経ってからようやく同一人物に成れたような気がした。

やけっぱちではじめたひとり暮らしだったが、再現可能の範囲でどこまで原始生活に近いアパート生活を送れるか、という野心のひとり暮らしでもあった。洗濯機なし(手洗い)、冷凍庫なしというリトル縛りでやっていた。(そのわりにTVとネットはあるという。)最初は楽しめるのだけど3年もすると辛くなった。結局文明に頼らないと疲弊するとわかった。敗北。

さらに、くわしいところははしょるがイロイロあって(自分の半生の中で一番不可避な状況・状態だった)帰還!するわけだが。その後の話は「幸せについて」で書いた通りです。